気がつけば9月もいよいよ最後の夜となった。夏の名残を感じながらも、涼しくなってきた風を受けながら感傷に浸る美しい季節の到来だ。朝晩は少しだけ肌寒さすら感じる。
9月といえば、やはりEarth, Wind & Fireの名曲、『September』だろう。歌詞には、「Do you remember the 21st night of September?」(覚えているかい、9月21日の夜を)という一節が出てくるが、今日は9月30日。少し遅れたが、この曲と共に9月のを締めくくるのも悪くないはずだ。もっとも、この曲には「Now December, found the love that we shared in September(今は12月、9月に僕らが分かち合った愛はそのままさ)」という歌詞があるので、曲名に反して実際には12月の曲だったりもする。
1978年にリリースされたこの曲は、Earth, Wind & Fireの代表的な楽曲の一つであり、ディスコ・ファンクの黄金時代を象徴する名曲だ。この楽曲は、ファンク、ソウル、R&B、そしてディスコが巧みに融合した、リズムとメロディのハイブリッドともいえる一曲である。バンドのリーダー、モーリス・ホワイト(Maurice White)のプロデュースのもと、地球、風、火が融合したかのようなダイナミックなサウンドが炸裂する。
まず注目すべきは、EWFの音楽の象徴とも言える力強く洗練されたホーンセクションだ。トランペットやサックス、トロンボーンといった楽器が華やかで壮大なサウンドを一瞬で作り上げ、豊かなエネルギーと立体感を与える。この曲においてもそれは健在であり、煌びやかなイントロが楽曲の世界へと一瞬で引き込んでくれる。
また、この楽曲で有名なのが「Ba-dee-ya」という繰り返しのフレーズであろう。一見意味がないように思えるかもしれないこのフレーズは、実のところリズム感やフィーリングを重視したファンクの精神を象徴している。特別な意味を持たせることがなかったからこそ、かえって「Ba-dee-ya」がこの曲の印象的なフレーズとなっているように思えてならない。
それでは、素敵な10月を。